2014年6月26日木曜日

Amato先生たちの1991の2つの論文;間違い確定かと

以前に書いてたあれに関して、同じ著者が同じ年に、子どもに的を絞ってかいたものがあります。
Psychological Bulletin 1991, Vol. 110, No. 1,26-46
Parental Divorce and the Weil-Being of Children: A Meta-Analysis
Paul R. Amato and Bruce Keith

これを先生から送ってもらいました。もう質問にはぜんぜん答えてくれないんですが、
別刷りだけはいただけまして。

前回とおなじ手法。メタ分析をするにあたって、生データの提供はうけていない。
論文からなるべくリカバリーする。ふつう論文にはP値とn数が書かれているので、
そこから対照群とのちがいやSDを推定して使っているらしい。

で、この送っていただいた論文でも、やっぱり標準化が間違っていて、SDが極端に小さい。
要は、おんなじ間違いをしているらしい。

これがどう影響するかもおんなじ。観測していた違いを、ものすごく小さく評価している。

そして、うんと小さいうちから、離婚後の群がふたつにわかれることがわかった。
ぜんぜん適応できていない群と、それなりにダメージをうけている群にわかれる。

この結果をお返しして、まあしかし、発表しなきゃだな。Amatoさんたちのメタ分析、
いぜんとして引用されてるから。実際には離婚のダメージはずっとでかいぞと。

あと提言は、これかな。
たとえば分子生物学関連の論文だと、生データを公開するのが最近の主流。
とくにでかい、金のかかる測定は。そのためのデータサーバが用意されています。
私も分析の際には、そうしたデータを要求します。
社会学でも、こうした公的な調査結果は、
まあプライバシーの問題はおくとして、
その1次データは、後の研究のために公開しておくべきだな。

Amatoさんたちは、懸命に論文から読み取ろうとして、
どこかで計算を間違えたんじゃないかなあ。

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