2014年4月2日水曜日

DSM-5の関連項目 試訳 虐待とネグレクト

DSM-5の関連項目 試訳

その他の、医療上に注意すべき状態 (p715- )


虐待とネグレクト

家族(たとえば保護者、親しい大人のパートナー)または親戚でない人からの児童虐待はその時点での医療上の焦点にもなり、また虐待は精神やそのほかの疾病にかんする患者の調査と治療における重要なファクターでもある。虐待とネグレクトは法的な問題にもなるので、状態を調査して分類する際には注意が必要である。過去に虐待やネグレクトがあったことは、多くの精神の病態に影響するので、診断に際しては、そのことを記載するべきである。
以下のカテゴリーにおいて、確認された・あるいは疑いのある虐待とネグレクトに加えて、かつての虐待やネグレクトが、患者または加害者の現在の精神保険上の問題になっているときのためにも、コードを付与する。虐待やネグレクトの前歴にもコードを付与する。

児童虐待とネグレクト


物理的な児童虐待

物理的な児童虐待は、事故ではない、子どもに与えられた物理的な傷害で、親・保護者ないしその子どもに責任のある者からの、殴る、平手でうつ、蹴る、噛む、揺さぶる、投げる、刺す、絞める、打つ(手、棒、鞭、そのほかの物で)、やけどさせる、ないしその他の行為の帰結であり、ちょっとした痣から骨折や死までの幅広い範囲をもつ。 (中略)

性的な児童虐待

性的な児童虐待は、親・保護者ないしその子どもに責任のある者の欲求を満たすためのあらゆる性的な行為である。(中略)

児童ネグレクト

児童ネグレクトは、親・保護者ないしその子どもに責任のある者のあらゆる確認された・または疑われるひどい行為ないし怠慢で、その年齢にふさわしいケアを与えないことで、身体や精神に害をあたえる・あたえることが予想できることである。(中略)

心理的な児童虐待

心理的な児童虐待は、事故ではない、親または保護者の、言葉による、ないし象徴的な行為で、明確に子どもに心理的な害を与えたり、与えることが明白な場合である(物理的な、あるいは性的な虐待は、ここに含まない)。心理的な虐待の例としては、子どもを容赦なく叱りつける、軽視する、屈辱を与える、脅迫する、子どもが気にかけている人や物を傷つける・捨てる――ないし特定の誰かが傷つける・捨てるとほのめかす、子どもを拘束する(手足を縛る、家具その他に縛り付ける、あるいは押入れなどの狭い場所に閉じ込める)、子どもをスケープゴートにする、自分自身に苦痛をあたえるように強要する、(物理的かどうかにかかわらず)子どもを過剰に懲罰する(頻繁ないし長い時間、もしそれが物理的な虐待ではなかったにしても)、が含まれる。
(コード番号は略 子どもにたいする項目は以上)

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