2014年2月26日水曜日

子育て・片親疎外について司法は認識しているか?

認識されてないかもしれない。

不勉強なのか誤解なのか、または何らかの利益誘導なのか、
あまり認識されていないかもしれない実情があります。

たとえば、各地方裁判所には委員会があって、広く国民から意見を聞き、
あるいは啓蒙活動をしているのですが、
横浜家裁で平成24年11月28日に開かれた委員会の会議事録が公開されています。
ここで、ちょっと興味深いことが行われていたらしい。

この日、オブザーバーとして弁護士が参加していました。
そして、実務者としての意見を求められたらしい。
彼はレジュメを用意して、以下の意見表明ないし虚偽の発言をしています。
レジュメを引用しますね。
第4 心理学ないし児童精神医学の視点
1. いわゆる片親引き離し症候群(Parental Alienation Syndrome 略称PAS)
のようにすでに欧米で否定されているような理論を今さら導入しようと
する愚が法律に携わる者においてすら行われている。
と、このような独自の世界観を展開し、面会交流の意義を否定しています。

なぜ弁護士が、自ら心理学の大家のように振る舞うのか、
多くの研究を無視するのか、そして、その場がこの人に支配されていたのか、
(だれも間違いを指摘できないくらい不勉強だったのか)
いろいろ疑念は尽きないのですが。

この弁護士が、連れ去り・引き離しのプロであるなら、利益誘導。
誤解したまま威張っているなら浅薄。
たとえば、DSMに掲載されないことにかんして、米国の心理学会は、一言も、
「片親疎外を否定する」ことはしていません。
認めるにはまだ時期尚早であるので、今は何もコメントできないというのが、
彼らの立場であるはずです。
それでは現場が困るじゃないかというのが、むしろ実務家たちの実感だと思われます。

この弁護士先生、すごく断定的におっしゃってますが、
これは多くの人々の研究結果の軽視に他なりません。
たとえば、ここで愚かであると酷評されている人々のなかには
衆議院第一議員会館で開かれた超党派の集会
「親子断絶防止法制定を求める院内集会」で公演をされた
棚瀬一代先生も入っているんでしょうね。

私がその分野の研究者だったら、発言の真意とともに責任を問うだろうと思う。
あと、この先生、民法と真逆の主張をなさってますが、
弁護士が不法行為を教唆するのって、適法なことでしたっけ?
こういう人を招いて好き勝手喋らせておくのは、地裁の委員会として、適切な行為か?

まあいずれにしても、こうして議事録を公開してくれているので、
ああ、間違ったことをやってるぞとわかるし、
そこをお知らせすることもできます。これが開かれた裁判所のいいところ。
聞く耳をお持ちかどうかはわからないですが、意見を伝えることはできる。
その点、お白州からは離れている。

別の例として、秋田県の家裁委員会のケースを見てみましょう。
(委員の質問) 親が面会交流を求め,子供が親に会いたくないと言ったとき,
子供の意思 と親の意思とではどちらが優先されるのか。

(説明者) 調停においては,率直に子供がこう言っていましたと
当事者に投げかける 中で,親には,どうして子供がそういう気持ちになっているのか,
そういう 気持ちをどうやって解していったらいいのかということを,
子供の視点に立 って考えてもらうことになると思う。
審判においては,面会交流は親の権利 であるとともに,
子供が健やかに成長するための子供の権利でもある
という のが一般的な考えであるので,
子供の福祉を明らかに害すると考えられると きには,
子供の真意かどうかを確認の上,
面会交流については,一部制限さ れたり,
禁止されることが考えられる。
この資料では、引用箇所の前段で、子の真意を聞くために
裁判所がどういった配慮をしているかをいろいろ説明しています。

そうした配慮をしているので、子の真意が反映されているから、
その上で会いたくないと言っている子に会いたいというのは
親のエゴであるのでけしからん

というストーリーだと思われます。
その子がいま洗脳状態にあるかどうかといった配慮は、していなそう。
それでは虐待を見落としますよー。

この説明者、なぜ面会交流が子供の利益なのかを、
まるっきし理解していないものと思われ。
彼はたぶん調査官なんですが、不勉強であると言わざるをえない。

棚瀬先生、がんばれ。超がんばれ。家裁は啓蒙が必要みたいです。

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